イベント情報
- 開催期間
- 2025年10月11日(土)〜2026年2月23日(月)
- 開催時間
- 10:00〜19:00
- 会場
- 山口情報芸術センター[YCAM]
- 住所
- 〒753-0075 山口県山口市中園町7−7
- お問い合わせ
- 山口情報芸術センター[YCAM]
- 連絡先
- 083-901-2222
イベント詳細
国際的に活躍する、バイオ・アートの先駆者
オロン・カッツらによる新作インスタレーションを公開!
オーストラリアを拠点に活動するバイオ・アーティストのオロン・カッツ 、イオナット・ズール、スティーブ・ベリックによる新作インスタレーションを公開する展覧会です。
オロン・カッツとイオナット・ズールは、組織培養工学を基盤とするバイオ・アートの先駆者として、国内外で実験的な作品を発表してきました。近年は、自然要素を人工的な代替物に置き換える農業技術(AgTech)を主題としたプロジェクトにも取り組んでおり、本展ではこの継続した研究の過程をパフォーマティブで実験的なインスタレーションとして公開します。会場には相互に連携し循環する食料生産装置を設置し、会期中の実験的パフォーマンスを通して、「Natureless Solution(自然を介さずに成立する食の未来)」へ向かう私たちの道筋を、アートの視点から批評的に探究します。
食料生産システムの未来を問う、実験型パフォーマンス & インスタレーション
本展のタイトルにある「MRT」は「メタボリック・リフト・テクノロジーズ(Metabolic Rift Technologies)」の略です。カール・マルクスが提唱し、そして、アメリカの社会学者ジョン・ベラミー・フォスターが現代に発展させた、人間社会と自然との間に生じる構造的な断絶を表す概念「メタボリック・リフト」を参照しています。これに「技術(Technologies)」の視点を重ね合わせた造語が「MRT」です。
YCAMとオロン・カッツら3人のアーティストによる実験的取り組み「PROJECT MRT(プロジェクト エム・アール・ティー)」の経過を公開する本展では、会場を科学的な実験や研究を行う「ラボ」にみたて、微生物が発酵する際の熱を活用したコンポストインキュベーターやハイドロポニックス(水耕栽培)装置など、AgTechを応用した循環型の食料生産装置を複数設置し会期中に実験的な運用をおこないます。また、各装置に取り付けたセンサーが計測した環境データを監視できるブースを会場内に設置し、分解効率や生態系のバランス、最適な環境条件を評価します。会期中は、ハンズオン形式のワークショップやツアー形式のイベントなど、多彩なプログラムを実施。展覧会テーマを体系的に体感できる構成となっています。
自然を介さず成立する食の未来は可能か
会場では、地域の教育機関や研究者、また生産者の指導/協力のもと、土壌を使わない栽培技術で植物を育てるハイドロポニック装置やソーラ・パネルシステムといった、自然資源を代替し、食料生産を可能にする装置を設置します。そのほか、水産養殖(Aquaculture)と水耕栽培(Hydroponics)を組み合わせて、魚と植物を同時に育てること(魚菜共生)を可能にする、アクアポニック・システムやマウスの筋細胞由来の人工肉を培養し、その養分を肥料に変換するための装置など、複数の技術を組み合わせ、会期中、これらを運用することで、持続可能かつ、「Natureless Solution(自然を介さずに成立する食の未来)」へ向かう私たちの道筋を考察します。
食糧生産環境を可視化するデータ監視システム
会場内の食料生産装置には、独自開発したセンサーを取り付けています。コンポストの分解中に発生する熱や、微生物の呼吸・発酵によって生成される CO₂ やメタンなどのガス濃度、生物飼育に関わる窒素循環データなど、様々な環境指標をリアルタイムで計測しており、分解効率や生態系のバランス、最適環境条件の監視に活用しています。会期中日々、データが収取されていく様子は、食料生産においてデータそのものが注目され、実態より優先される現状を批評しています。
イベント休止日
- 毎週火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)
- 年末年始(12月29日〜1月3日)
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